十年一剣を磨く
一つのことに、長い間真剣に取り組むと、
どんなことでも相当の力がつきます。
「十年一剣を磨く」と言う言葉は、それを表したものです。
十年の間、ひと振りの剣を磨くという意味で、
長い間、武術の修行を積んで、力を発揮するものです。
なお、真剣という言葉は、木刀や竹刀ではなく、
ホンモノの切れ味が鋭い刀、という意味です。
仏教詩人の坂村真民さんに、次のような詩があります。
「鈍刀をいくら磨いても無駄なことだというが、
何もそんなことに耳を貸す必要はない。
せっせと磨くのだ。刀は光らないかもしれないが、磨く本人が変わってくる。
つまり、刀がすまぬ、すまぬと言いながら、磨く本人を光るものにしてくれるのだ」
たとえ、地味で人から評価されない仕事でも、
本人の真剣な取り組みは、必ず天に通じるでしょう。
そんな心を忘れずに、自分がほれ込んだものを磨き続けていきたいものです。